Builderscon Tokyo 2018 に行ってきた (2/2)

Builderscon Tokyo 2018 に行ってきた (2/2)

    builderscon2 日目レポートです。 今日も豪華なスピーカーが勢揃いで、最高の 1 日でした。

    Security, privacy, performance of the upcoming transport protocols

    1 本目は、kazuho氏による次世代のインターネットプロトコルのお話でした。

    インターネット・プロトコルは変革期で、次々と新しいプロトコルが生まれています。 セキュリティという観点では、パブリック Wi-Fi の普及やスノーデンの話をきっかけに、完全なネットワークで暗号化が必要となっています。 現在、あるいは近い将来に DNS over HTTPS や QUIC などの次世代のプロトコルが必要になっています。

    この発表では、TLS 1.3 と QUIC について詳しく説明がありました。 それぞれについて、今の TLS1.2 と TCP では何が危険でどういう攻撃が想定されるかという説明もあって、非常に興味深い内容でした。

    Jepsen 10

    2 つめはaphyr氏による、Japsen 10 というフレームワークと、分散データベースにまつわるお話です。 Jepsen とは分散システムの試験をするフレームワークで、実際の著名な分散データベースの不具合を発見しています。

    分散システムが難しいのは以前からですが、aphyr 氏が言っていたのは、ソフトウェアのドキュメントをよく読み、自分でテストするのが大事だと言ってました。 自分でデザインした分散システムでも、障害例について参考になりそうなので、Jepsen プロジェクトを追ってみたいと思います。

    また発表が手書きのスライドだったのが印象的でした。 別のカンファレンスでの発表ですが、そのユニークなスライドが YouTube から拝見できます。

    なぜエンジニアはパフォーマンス計測しないのか

    3 つめはmogetta氏による、(体の)パフォーマンス計測に関するお話です。

    徹底的に体のメトリクスを計測して、生活の質を改善しています。 あらゆるメトリクス(心拍・集中力・睡眠時間)などを計測して、それぞれのメトリクスを計測してます。 カフェインやお酒がどのように影響してるかを調べて見るために、自分で A/B テストを実施してたのが面白かったです。

    チューニングをするにもまずはメトリクスの測定から、人体も実際のインフラも同じですね。 体のパフォーマンスが生産性に影響があるのは、ヘルシープログラマでも述べられてるのを思い出しました。 デバイスも安いらしいので、自分も買ってみようかな。

    業務時間で書いたパッチは誰のもの?OSS 活動にまつわる罠

    4 つめはuchan_nos氏による、サイボウズの OSS ポリシーの紹介でした。 話ではポリシーの内容と、ポリシー制定に至った経緯をお話してました。 Q&A タイムも盛り上がって、他の企業の人たちも業務時間中に書いた OSS について気になってるんだなぁと思いました。

    Building Self-Hosted Kubernetes

    5 つめはnasa9084氏による Self-Hosted Kubernetes を構築するというお話でした。

    Self-Hosted Kubernetes に関しては、メリットと構築の難しさは以前調べたことがあるので、ある程度知識としてありました。 etcd の Self-Hosting や Kubernetes のデプロイツールがまだ Production ready じゃないですが、そのへんは今後に期待ですね。

    Extending Kubernetes with Custom Resources and Operator Frameworks

    6 つめはIanMLewis氏による Kubernetes を拡張する方法についてです。 Kubernetes には Custom Resources と Operator Frameworks という仕組みがあり、Kubernetes 自体のカスタマイズができるようになっています。 スライドでは Operator SDKkubebuilder と呼ばれる Custom Resources のための SDK が紹介されてました。

    オンプレミスや特殊な環境で Kubernetes を構築するにはいろいろな工夫が必要で、そのへんも工夫が必要だなと思いました。 ボイラープレートの作成がデモであったのですが、実際にリソースを作ってみたいと思います。

    Lightning Talks

    LT は 14 タイトルと盛りだくさんでした。 内容はマイクロサービスアーキテクチャのログ基盤やネットワークレイヤの障害試験と、LT とは思えないほど濃い話しばかりでした。 全ての内容はここでは書けませんが、非常に充実した 14 本でした。

    おわりに

    2 日間通して、豪華なスピーカーが多くて最高の体験でした。 また最高の builderscon を実行した運営の皆様お疲れ様でした。

    機会があれば来年も参加したいと思います。
    # 体力があればぜひ参加者側として


    Profile picture

    Shin'ya Ueoka

    B2B向けSaaSを提供する会社の、元Webエンジニア。今はエンジニアリング組織のマネジメントをしている。